スメハラで退職します

嗅覚過敏の生き方について

柔軟剤とポマードのにおいがする20代男子

職場の男性から柔軟剤のにおいがし始めて1年以上。

以前は、1メートル以内範囲で感じる程度だったから距離をおいて対応していた。

 

数か月後、においの種類が変わる。

スパイシーでパリピ系のにおい、たぶん柔軟剤だと思う。

思わず「おはようございます」の次に「なんかつけてる?匂いがするんだけど」と口にしてしまった。今までの「距離を置くことで対応」できていたことが通用しない、明日から始まる苦悩を脳が瞬時に予測したのだと思う。

 

男性 「え?」

自分の袖をクンクン嗅いで首をかしげる

 

私「香水みたいなにおいがするんだけど。」

 

男性「つけてません」

 

私「じゃ柔軟剤なんじゃないの?とにかくにおうよ。」

 

男性「洗い残しかなぁ~」

 

上司にそのことを報告し、においを控えてもらうよう言ってもらったのだけど

現状変わらず。次の日からは、マスクを2重にして3メートル以上距離を置いて過ごすことにした。

マスクが2重だと声も聞こえづらいようで、どうしても会話が必要なときは、遠くから大きな声を出していた。

鼻栓、口呼吸も試してみた。パン屋だから、厨房は乾燥していてのどがカサカサになる。夏場の熱中症も頻度が高くなった。思い立った時に水分補給もできないくらい忙しいから、鼻栓対策はやめた。

(においは遮断できるけど)口呼吸も、鼻とのどの中間点辺りでにおいを感じる。

タバコの煙の横を息を止めて通っても鼻の中で何かしら苦い違和感を感じるのと同じ感覚。

 

次に試したのは、2重マスクでの、肌側のマスク(ポリウレタン製)を濡らすこと。

これは、思ったより効果があってよかった。時間とともに乾燥してくるけども仕方ない。

でも、通り過ぎるにおいは何種類かあるみたい。

ムスク系はあまり感じないけど、パリピ系は通過する。

 

高機能のマスクも数えきれないほど購入した。(コロナよりも以前のこと)

価格が高い分期待も膨らんだけど、そう大差ないように思う。

クレベリンのマスクが1番高性能だった。ただ、小さいサイズマスクの耳のゴムの長さが以前より長くなった分密着度が減りにおいを通すようになってしまったのが残念。

結んで調節もしてみたけども、鼻ガード機能とかの密着度が以前のようにはならないので、多分長さの問題だけではないのかもしれない。

ハイドロ銀チタンソフトガーゼマスクは、感激するほどの効果だった。

パン焼いてるのに、パンのにおいすらしない。自分だけ無臭空間。

長年の悩みから救ってくれる!と思ったのだけども、洗濯したら普通のガーゼマスクと同じ効果になってしまった。毎日新品を使用する余裕がないのがくやしい。

最終的には、PITTAマスクを濡らし、その上にクレベリンマスクでしのいでいる。

 

他、上司には「私からの休み希望は出さない。その代わりに、彼の出勤日と極力かぶらないようにシフトを作ってほしい。」とお願いした。言うからには、それなりの仕事もこなせないと聞く耳もってもらえないだろうと、今まで以上に頑張ったおかげで希望どうりに。(まったく会わないで済むわけではないけど)

その間、においの種類に変化が。

ムスク系からスパイシーパリピ、濃厚な花。現在に至っては、ポマードと甘い酸化油のミックス。

 

何十年ぶりに感じたポマードのにおい。

昭和時代の教頭先生とかこういうにおいしていた記憶がある。

20代男性でポマード臭+甘い、酸化油のにおい。

どこの柔軟剤なんだろう。

 

「ほんとにおう。ポマードって昭和中年男性の頭のにおいだよ。甘ったるいのと、古いとんかつのようなにおいもする。20代でダンディズム目指してるの痛くない?自由だけどオフの日だけにしてくれないかな?」って言いたいのを我慢というか飲み込んだ。

 

理性のまま行動していたら、胸ぐらつかんでいる。

それくらい我慢の積み重ねは限界に近づいている。

 

柔軟剤のにおいは熱が加わることによって濃くなるし、拡散する。

オーブンの前で作業されると、においは強烈に広がり、厨房中におう。

それによって車酔いのような、おなかに重く沈む頭がくらくらする気持ち悪さが始まる。

 

「気持ち悪いから隣で仕事できない。オーブン前作業を別の人に変えてほしい。」

上司に伝えて、交代してもらった。

理由は「昼からの配置変更するから急きょ変わって」。

 

上司は注意すらしなくなっていた。

たぶん保身からの選択だろう。パワハラになりかねないし、スメハラはデリケートでややこしいとされている。

 

それが分かったのは最近のこと。

「たぶん彼は、柔軟剤というものを知らないんですよ。お母さんが洗濯してるから。若いし、そういうことですね。」

「はあ・・」

 

あきれて向き合う気力すらなくなった。

話が通じない。

これが、上司の彼なりの答えのようだ。

ここで衝突すると、また店長が問題提示する人をねじ伏せにくるのだろう。

その切り札が俺にはある、という意図も感じた。

 

 

先日、オーブン前でまた彼が作業しようとしていたので「あなたに入られるの無理だから。」と伝えた。

 

彼は黙って立っていた。

その日の帰りに「なぜこの前のようなことが繰り返されるのか、理由とか今まで言ってないんですか?」と上司に聞いたら「言っていない」と。

「ちゃんと言って伝えてください。お願いします!!」

 

伝えたけども、期待はしていない。

多分言わないだろう。 

今までもそう。

 

もうこの人の元で働けないと感じてる。

以前も同じように問題解決をお願いしたら、店長が出てきて逆切れで怒鳴られた。

立場を利用した強制終了。

 

上司も店長も社内評判は低い。ついていけないと去った仲間もいる。

そういう会社なんだ、と思っているからどこか諦めもある。

 

問題の先送りは解決ではなく、同じことを繰り返す原因に過ぎない。

その都度、相手をねじ伏せ問題を握りつぶして「解決」とするのだろうか。

 

自分の子が、難しい問題に直面したとき父親としてどう向き合うのだろう。

「俺は仕事がある」と妻に丸投げなのかな。